Nikon Zのズーム選びは、まずDX用とフルサイズ用を分けて考えます。DXで軽さを優先するなら16-50mm、交換を減らすなら18-140mmが候補。フルサイズでは、24mmの広さと通しF4なら24-120mm、F2.8の明るさなら28-75mm、200mmまで1本で撮るなら24-200mmという違いがあります。
この記事では、DX用2本とFX(フルサイズ)用5本の合計7本を比べます。比較の軸は、広角端・望遠端・開放F値・レンズ交換の回数の4つ。焦点距離や質量は各レンズの公式仕様ページで2026年9月8-9日に確認した数値を使い、公称仕様から選べる条件を整理します。
軽さを取るか、24mmが要るか、F2.8が要るか。撮る場所と持ち歩ける重さに合わせて選びましょう。ボディ側から決めたい人はNikonミラーレスのボディ比較、レンズ全体の地図がほしい人はNikon Zレンズの種類と選び方へ先に寄り道してください。
Nikon Zズーム7本の一覧
本文で扱う7本です。上から順に、DX用の2本、FX用の5本という並びになっています。
Nikon Zズーム選びの結論
結論から書きます。ただし条件付きです。自分がどの行に当てはまるかで、見るべきレンズが変わります。
| あなたの条件 | 見るレンズ |
| DXボディで、とにかく小さいまま持ちたい | NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR |
| DXボディで、交換の回数を減らしたい | NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR |
| FXで、質量を最優先にしたい | NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3 |
| FXの基準になる標準ズームを1本 | NIKKOR Z 24-70mm f/4 S |
| 24mmから中望遠までを通しF4で | NIKKOR Z 24-120mm f/4 S |
| 28mm始まりでよく、明るさが欲しい | NIKKOR Z 28-75mm f/2.8 |
| 旅行で、できれば一日交換しない | NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR |
7本を横に並べると、数字の性格がはっきりします。焦点距離・開放F値・質量だけを抜き出したのが次の表です。
| レンズ | 焦点距離/開放F値 | 質量 |
| DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR | 16-50mm/F3.5-6.3 | 約135g |
| DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR | 18-140mm/F3.5-6.3 | 約315g |
| Z 24-50mm f/4-6.3 | 24-50mm/F4-6.3 | 約195g |
| Z 24-70mm f/4 S | 24-70mm/F4通し | 約500g |
| Z 24-120mm f/4 S | 24-120mm/F4通し | 約630g |
| Z 28-75mm f/2.8 | 28-75mm/F2.8通し | 約565g |
| Z 24-200mm f/4-6.3 VR | 24-200mm/F4-6.3 | 約570g |
質量はレンズ単体の公称値で、ボディやバッテリーは含みません。DX用の2本はDXフォーマット用のレンズなので、FXボディに付ける場合は撮像範囲の設定を使用機種のメニューで確認してください。
Nikon Zズームの比較軸
DXとFXで画角の目安が変わる
DX機とフルサイズ機では、同じ焦点距離でも写る範囲が変わります。DX機での35mm判換算の画角は、焦点距離×1.5が目安。16-50mmなら24-75mm相当、18-140mmなら27-210mm相当の写る範囲になります。
ここで注意したいのが、F値は換算しないという点です。F3.5-6.3はどのボディでもF3.5-6.3のまま。画角の話と明るさの話を混ぜないほうが、あとの比較が楽になります。
広角端24mmと28mmの差

広角端の4mmは、数字の見た目より効きます。室内で背中が壁に当たる、建物の全体が入りきらない。そういう「もう一歩下がれない」場面で差が出るからです。
逆に、下がれる場所で撮ることが多く、28mmで必要な範囲が収まるなら、28mm始まりも候補になります。今回のFX5本では、24-50mm・24-70mm・24-120mm・24-200mmが24mm始まり。28-75mmだけが28mm始まりで、その代わりに開放F2.8を通しで持っています。
開放F値と手ブレ補正
通しF値のレンズは、ズームしても開放が変わりません。F4-6.3やF3.5-6.3のレンズは、望遠側に回すほど開放が暗くなる設計です。暗い場所で望遠端を多用するなら、この違いは無視できません。
手ブレ補正で抑えられるのは撮影者の揺れで、動いている被写体のブレはシャッター速度の担当です。今回の7本では、DX 16-50mm・DX 18-140mm・Z 24-200mmのVR搭載を公式仕様で確認できます。補正があっても、被写体の動きに合ったシャッター速度を選ぶことが必要です。
レンズ交換の回数で選ぶ

高倍率ズームは、広角から望遠まで大きく焦点距離を変えられるレンズです。今回の18-140mmと24-200mmは、旅先でレンズ交換を減らしたいときの候補。撮りたい画角が1本の範囲に収まれば、交換用レンズを出し入れする手間も減らせます。
ただし、置き換えられる範囲は撮る距離しだいです。18-140mmや24-200mmの望遠端は、被写体まで遠い競技や野鳥では足りないことがあります。高倍率ズームでも、必要な焦点距離によっては望遠専用レンズを別に用意することになります。
NikonのDX用ズーム2本
Nikon DX 16-50mm
正式名称はNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR。Z50やZfcのキットでおなじみの、DX用標準ズームです。
選ぶ理由は、ボディの小ささを殺さないこと。この7本では最も軽く、18-140mmより約180g軽い計算です。カバンの隙間に入るサイズを維持したいなら、これを起点にして望遠側は別レンズで足す考え方になります。
不向きなのは、望遠端50mm(75mm相当)で足りない場面です。運動会や発表会のように被写体が遠い日は、交換前提の運用になります。
最短撮影距離は撮像面からで、16mmで0.25m、50mmで0.3m。レンズ先端からの距離ではない点に注意してください。
出典:NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR 主な仕様(2026年9月8-9日確認)。
Nikon DX 18-140mm
正式名称はNIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR。DXボディ向けの高倍率ズームで、標準域から望遠域までを1本でつなぎます。
交換の回数を減らしたいDXユーザーには、まずこれ。18mmで0.2m、140mmで0.4mという最短撮影距離のおかげで、寄りたい場面にも望遠にも同じレンズで応えられます。キットの16-50mmで望遠が足りないと感じているなら、買い足しではなく置き換えの候補になります。
一方で、広角端は27mm相当。16-50mmの24mm相当より狭くなるので、狭い室内や建物の全景を優先する人には後退に見えるはずです。開放F3.5-6.3という設計上、暗所で動く被写体を望遠端で撮る場合は、シャッター速度を保つためにISO感度を上げるなどの調整も必要です。
出典:NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR 主な仕様(2026年9月8-9日確認)。
NikonのFX用ズーム5本
Nikon Z 24-50mm
正式名称はNIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3。FX対応の標準ズームでありながら、沈胴機構で携行時の長さを抑えた1本です。
フルサイズで24mmから始まり、約195g。望遠より軽さを優先するなら、まず比べたい組み合わせです。首から下げっぱなしにしたい散歩や、旅先で「持ち出す気力」を落としたくない日に効きます。
不向きなのは望遠と明るさ。50mmまでしかなく、望遠側では開放F6.3です。
最大撮影倍率も50mmで0.17倍と、7本のなかでは控えめ。テーブルの上のものを大きく写したいなら、次の24-70mm f/4 S以降を見たほうが早いはずです。
出典:NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3 主な仕様(2026年9月8-9日確認)。
Nikon Z 24-70mm f/4 S
正式名称はNIKKOR Z 24-70mm f/4 S。広角24mmから中望遠70mmまでを、通しF4で使える標準ズームです。
迷いどころが「24mmは欲しい、でも重すぎるのは困る」なら、ここが着地点になります。広角端24mm、ズーム全域0.3mの最短撮影距離、そして約500g。24-70mmの範囲を日常の中心に使うなら、明るい単焦点を後から足す土台にもなります。
遠くを大きく写したい場合は、望遠端を比べたいところ。望遠端は70mmまでで、24-120mmや24-200mmのような射程はない。
開放も28-75mm f/2.8より1段暗い設計です。望遠か明るさのどちらかが用途の中心にあるなら、この先の3本と比べてください。
出典:NIKKOR Z 24-70mm f/4 S 主な仕様(2026年9月8-9日確認)。
Nikon Z 24-120mm f/4 S
正式名称はNIKKOR Z 24-120mm f/4 S。24-70mm f/4 Sと同じ通しF4のまま、望遠端120mmまで使えるズームです。
24mmの広さと120mmの寄り、その両方を1本で持ちたい人向け。しかも望遠端でも開放はF4のままです。0.39倍という最大撮影倍率も7本で最大なので、小物を大きく写す用途にも比較しやすい候補です。
代償は約630gという質量。24-70mm f/4 Sより約130g、24-50mmより約435g重い計算になります。軽さを条件の一番上に置いている人には勧めません。
出典:NIKKOR Z 24-120mm f/4 S 主な仕様(2026年9月8-9日確認)。
Nikon Z 28-75mm f/2.8
正式名称はNIKKOR Z 28-75mm f/2.8。今回の7本で唯一、開放F2.8を全域で使える標準ズームです。
F4通しより1段明るい。この1段は、暗い室内でシャッター速度を確保したいときや、背景をもっとぼかしたいときに直接効いてきます。28mmで0.19mまで寄れるので、広角側で近くの被写体を大きく写す用途にも使えます。
引っかかるとすれば広角端28mm。室内の全景や建物を24mmで撮りたい人には、明るさと引き換えの妥協になります。望遠端も75mmまでで、120mmや200mmのような射程は持ちません。
出典:NIKKOR Z 28-75mm f/2.8 主な仕様(2026年9月8-9日確認)。
Nikon Z 24-200mm
正式名称はNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR。FXの標準域から望遠域までを1本でまかなう高倍率ズームです。
旅行のように、風景も人物も遠くの被写体も同じ日に来る場面で強い1本。標準ズームと望遠ズームを持ち替えずに済むぶん、カバンの中身も判断の回数も減ります。望遠端200mmは、離れた場所の被写体を大きく写したいときに使えます。
ただしF値は固定ではありません。24mmでF4、望遠側ではF6.3まで暗くなる設計で、夕方以降の望遠は条件が厳しくなります。最短撮影距離も24mmで0.5m、200mmで0.7mと、24-70mm f/4 Sの0.3mのようには寄れません。
出典:NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR 主な仕様(2026年9月8-9日確認)。

Nikon Zズーム比較まとめ
7本を並べ直すと、選択は結局この4つに落ちます。DXかFXか、広角端が24mmか28mmか、通しF値が要るか、そして交換を減らしたいか。
DXなら、小ささを守る16-50mmか、27-210mm相当まで1本で伸ばす18-140mm。FXなら、約195gの24-50mm、基準として使える24-70mm f/4 S、望遠まで通しF4の24-120mm f/4 S、1段明るい28-75mm f/2.8、交換を減らせる24-200mmという並び。全部を満たす1本は、この7本のなかにはありません。
ボディとの合計重量や、当日どこまで歩くかまで含めて決めたい人は、レンズ単体の比較だけで終わらせないほうがいい。Nikonの全体像はNikonのカメラ選びガイドにまとめてあり、旅行や運動会でボディとレンズを組み合わせる考え方も確認できます。
