ボディと標準ズームはある。次に足す望遠が決まらない。そんなときに最初へ置きたいのは、どこまで届けば足りるかという問いです。
300mm相当で収まるのか、600mm相当まで欲しいのか。ここが決まらないと、明るさや重さをいくら比べても答えが出ません。
次に見るのが明るさ。暗い場所で動く相手を撮るなら、開放F値の差が選べるシャッター速度に影響します。最後に重さを見て、持ち歩ける範囲へ収まるか確認します。
この記事で比べるのは、40-150mmの3本と75-300mm IIの合計4本。4本を使い比べたレビューではなく、公式仕様と公表値をもとにした選び方の整理です。描写やAFの体感評価は扱いません。
ボディそのものをまだ決めていない場合は、OM SYSTEMのボディとレンズをまとめた記事から読むほうが近道です。
OM望遠レンズのおすすめ
並びは軽い順ではなく、選ぶときの分かれ道に沿っています。前の3本は同じ画角範囲で明るさと重さが違う関係。最後の1本だけが、レンズ単体では届く距離そのものを変える選択です。
OM望遠ズームを比較
| レンズ | 焦点距離・開放F値 | 公称質量 | 向く使い方 |
| 40-150mm F4.0-5.6 R | 40-150mm(35mm判換算80-300mm相当)/F4.0(40mm)-F5.6(150mm) | 190g(仕様ページに付属品の除外条件の記載なし) | 明るい屋外で、まず望遠の画角を試したいとき |
| 40-150mm F4.0 PRO | 40-150mm(80-300mm相当)/F4.0通し | 382g(レンズキャップ・リアキャップ・フードを除く) | 通しF4の明るさと持ち運びやすさを両立したいとき |
| 40-150mm F2.8 PRO | 40-150mm(80-300mm相当)/F2.8通し | 760g(三脚座を除く)/880g(三脚座を含む) | 暗めの室内で動く相手を撮り、シャッター速度を確保したいとき |
| 75-300mm F4.8-6.7 II | 75-300mm(150-600mm相当)/F4.8(75mm)-F6.7(300mm) | 423g(仕様ページに付属品の除外条件の記載なし) | 明るい屋外で、300mm相当より遠くを狙いたいとき |
公称質量の除外条件の記載は4本でそろっていません。付属品の除外条件が明記されていない製品もあるため、この列は正確な総携行重量ではなく、比較の目安です。
同じ画角で明るさの違いを知りたいなら、同じ焦点距離で開放F値を比べます。75-300mmの300mm端F6.7は、40-150mmの150mm端とは写る範囲が違うため、単純な明暗の優劣としては比べられません。
表の数値はOM SYSTEMの公式仕様(40-150mm F4.0-5.6 R、40-150mm F4.0 PRO、40-150mm F2.8 PRO、75-300mm F4.8-6.7 II)を参照しています。
OMの望遠レンズを選ぶ
OLYMPUS(OM SYSTEM) M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R
望遠を足すかどうかを決める前段として、4本の中では追加質量をもっとも抑えられる選択肢です。公称190gで、屋外の運動会や旅行でまず300mm相当の見え方を確かめたい人の候補になります。
代償は明るさです。望遠端の150mmでは開放F5.6になり、同じ場面ならF4.0のレンズより1段、F2.8のレンズより2段暗い計算になります。日が落ちた校庭や薄暗い体育館では、シャッター速度かISOのどちらかを譲ることになります。
今回の資料で確認できた開放F値は、40mm端のF4.0と150mm端のF5.6。中間の焦点距離での値は未確認です。

OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO
望遠端まで開放F4.0が変わらないのが、この1本の性格です。Rの150mm端F5.6と比べると、同じ焦点距離・同じ明るさ・同じISOの条件でシャッター速度に約1段の余裕が生まれます。公称質量は382gで、F2.8 PROより追加質量を抑えられます。
サイズの読み方には注意が要ります。99.4mmはあくまで収納時の長さで、使用時の全長は約124mm。撮影状態ではインナーズームとなり、ズーム操作で長さは変わりません。
向いているのは、屋外の行事や旅行で長く持ち歩きつつ、曇天や夕方の明るさ低下にも一段構えておきたい人。届く距離はRと同じなので、遠さの不満を解消する買い替えにはなりません。
OLYMPUS(OM SYSTEM) M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
暗さが先に来る場面のための1本。同じ150mmで比べたとき、F4.0 PROに対して約1段、RのF5.6に対して約2段の余裕があります。舞台やホールのように光量が限られた場所で、シャッター速度を落としたくないときに効いてくる差です。
ただし明るさは結果を保証するものではありません。ノイズが必ず減るわけでも、動く相手が必ず止まるわけでもありません。手ぶれ補正で抑えられるカメラ側の揺れと、被写体の動きによるぶれは別の問題です。
暗い会場での体験は、OM-5 Mark II+14-150mm IIを保育園の発表会で使ったレビューにまとめています。今回のF2.8 PROを使った体験ではありません。
重さは正直に見ておきたいところ。三脚座を除く760gとF4.0 PROの382gを引くと、公称値の差は378gです。付属品の除外条件が製品間で完全に一致するかは確認できないため、この差も比較の目安です。

OLYMPUS(OM SYSTEM) M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II
レンズ単体で600mm相当まで届くのは、今回の4本ではこれだけです。グラウンドの反対側など、観覧位置から遠い被写体を大きく写したいときの候補になります。
交換条件は広角側です。もっとも広い75mmでも150mm相当なので、近くを通る子どもや競技の全体像は画面へ収まりにくくなることがあります。遠くを優先するレンズとして、標準域への交換も含めて考えてください。
明るさも控えめで、300mmでは開放F6.7。屋外の日中を主戦場にすると割り切れるかどうかが分かれ目です。なお、この仕様はIIのもので、旧型とは分けて確認してください。
OM望遠の明るさとテレコン
明るさの差を見るときは、条件をそろえるのが先です。同じ焦点距離、同じ場面、同じISOで比べると、F4.0とF2.8の約1段差がシャッター速度1段分の余裕になります。
Rの150mm端F5.6を起点にすれば、F4.0で1段、F2.8で2段です。広角側まで含めて常に2段違うとは言えません。
そして、余裕があることと写真が成功することは別です。速いシャッターを選びやすくなっても、動きの読みや構えは必要です。手ぶれ補正が助けるカメラの揺れと、シャッター速度で抑える被写体の動きは分けて考えます。
もっと遠くへ届かせたいときに出てくるのがテレコンバーターです。ここで確認したいのは、どのレンズにも付くわけではないという点。公式のマスターレンズ一覧に基づくと、今回の4本のうちMC-14とMC-20へ対応するのは40-150mm F2.8 PROだけです。
装着後の数値も押さえておきます。MC-14(1.4倍・105g)なら最大210mm、420mm相当で開放F4.0。MC-20(2倍・150g)なら最大300mm、600mm相当で開放F5.6となり、F2.8のまま600mm相当になるわけではありません。
マイクロフォーサーズ同士だから汎用的に付く、という製品でもありません。借りる前に、レンズとボディの組み合わせが対応表へ入っているかを確認しておくと確実です。
遠すぎる・近すぎるを防ぐ
まず押さえたいのは、40-150mmの3本がすべて80-300mm相当だということ。RからF4.0 PROへ、あるいはF2.8 PROへ替えても、届く遠さは変わりません。遠くが小さくしか写らない不満は、明るさへの投資では解決しないわけです。
逆に75-300mm IIへ移れば600mm相当まで届きますが、広角端は150mm相当。目の前を通る場面や、隊列全体を入れる場面では窮屈になります。標準ズームへ戻す前提で、レンズ交換の手間と時間も織り込んでおきたいところ。

判断を早めるコツは、当日の立ち位置を先に決めることです。観覧位置を動かせるのか、席が固定なのか。被写体まで何メートルあり、全体を撮りたいのか顔のアップが欲しいのかで、必要な焦点距離はおおよそ絞れます。
持ち運びの条件も同時に確認しておきます。バッグへ入る長さか、構え続けられる重さか、会場に機材持込や三脚の制限がないか。760gや880gのレンズは、構える時間が長いほど腕の負担になり得ます。
300mm相当より先もF2.8で撮りたいなら、M.ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8 IS PROが次の段階の候補です。100-400mm相当、レンズ内IS、公称1075g(三脚座・キャップ類・フード除く)/1250g(三脚座含む、キャップ類・フード除く)で、公式仕様を確認できます。携行性の性格は今回の4本と異なります。
よくある質問
- 40-150mm F4.0 PROとF2.8 PRO、どちらを選べばよいですか。
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画角はどちらも80-300mm相当なので、決め手は明るさと重さです。同じ焦点距離・同じ条件で約1段の差があり、暗い場所でシャッター速度を優先したいならF2.8 PROが候補です。
公称質量は382gと760g(三脚座を含むと880g)で、持ち歩く時間が長いほど差が効いてきます。屋外中心で軽さを取るならF4.0 PROが現実的です。
- 75-300mm F4.8-6.7 IIは室内でも向きますか。
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開放F値は75mmでF4.8、300mmでF6.7です。開放F値から考えると明るい屋外で使いやすい候補ですが、室内では必要なシャッター速度と許容できるISOに収まるかを先に確認してください。
広角端が150mm相当という点も室内では効いてきます。舞台までの距離が近いほど、画面から外れる範囲が増えます。
- 40-150mm F4.0 PROにテレコンバーターは付けられますか。
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公式のマスターレンズ一覧に40-150mm F4.0 PROは含まれていません。今回の4本でMC-14とMC-20の両方へ対応するのは、40-150mm F2.8 PROだけです。
そのF2.8 PROでも、MC-14装着時は420mm相当で開放F4.0、MC-20装着時は600mm相当で開放F5.6になります。組み合わせの可否は、借りる前に対応表で確認してください。
まとめ
迷ったら、もっと望遠が要るのか、もっと明るさが要るのかへ戻ります。遠さが足りないなら75-300mm II、同じ80-300mm相当で明るさを上げたいならF4.0 PROかF2.8 PROが候補です。まず望遠の画角そのものを確かめたい段階なら、公称190gのRから検討できます。
どれを選んでも、持ち歩ける重さと当日の立ち位置が前提。数字を見比べる前に、撮る場所と距離を決めておくのが近道です。
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